第74回自動車技術会「論文賞」を受賞

CRERCセンター長の田中光太郎教授らが執筆した論文が第74回自動車技術会の「論文賞」を受賞しました。

論文タイトルは「Effects of Different Driving Behavior during Actual Road Driving on Ammonia Emissions from Gasoline Vehicles」です。

ガソリン車に使用される三元触媒は、窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素を同時に浄化可能ですが、近年、三元触媒内で発生するアンモニアの排出が問題になっています。

本論文は、三元触媒を搭載した直噴ガソリン車と2種類の車載型排出ガス計測システムを用いて実路走行試験を行い、実路走行におけるアンモニア排出挙動、および運転挙動の違いがアンモニア排出に及ぼす影響を論じています。

冷間始動条件において、エンジン暖機完了前に一酸化炭素とアンモニアが時間差をもって排出され、そのアンモニア排出量が運転者の影響を受けずほぼ一定であること、暖機完了後のアンモニア排出量は運転者の加減速挙動の違いが支配的であることを明らかにしています。本論文は、今後低減が求められる実路走行条件におけるアンモニアの排出について、その排出要因と排出条件を明確にしており、高く評価されました。

第74回 (2024年) 自動車技術会賞 受賞一覧(公益社団法人自動車技術会)
https://www.jsae.or.jp/assoc/award/jigikai-award/list/2024ver/

(写真左から)東京工業大学 佐藤進 准教授、茨城大学 田中光太郎 教授