長川遥輝助教らの研究論文が英文学術雑誌のCoverに採択

CRERC合成ユニットの長川遥輝助教らが行った、白金を担持した硫化カドミウム光触媒(CdS-Pt)の光化学的エッチングによる構造最適化に関する論文が、2025年9月18日発行の『Chemical Communications』誌のInside Front Coverに採択されました。

Haruki Nagakawa, Tetsu Tatsuma
Morphology optimization of CdS-Pt photocatalyst by photoetching for hydrogen production with high quantum efficiency
Chemical Communications, Volume 61, Issue 73, September 2025, Pages 13868–13871.
https://doi.org/10.1039/D5CC04077A

Selected as “Inside Front Cover”
https://doi.org/10.1039/D5CC90299A

CRERCが確立を目指すカーボンリサイクルシステムには、水素が原料として必要不可欠です。光触媒反応は、太陽光のエネルギーを利用して水から水素を生成する方法であり、グリーン水素の製造手法として注目されています。特に、外部量子効率(入射光がどの程度水素生成反応に利用されるかを示す指標)は、光触媒活性を評価するうえで重要視されており、その効率をいかに100%に近づけるかが大きな課題となっています。

本研究では、溶融塩処理法で合成した高結晶性CdSに対し、白金(Pt)助触媒を担持し、Pt-CdSを作製しました。さらに、乳酸存在下で光照射を行うと、ウルツ型CdSの[001]方向に沿ってエッチングが進行し、柱状構造が残存する粒子形態へと変化することが明らかになりました。この加工後のPt-CdSは、不安定な(001)面の露出が減少することで安定性が向上すると同時に、励起キャリアの利用効率が高まった結果、最大で外部量子効率 86%という極めて高い水素生成活性を示しました。今回確立した光エッチングによる形態最適化手法は、多様な光触媒に応用可能であり、高効率な水素製造反応の実用化にもつながると期待されます。